「本を出す人」と聞くと、作家や専門家を思い浮かべるかもしれません。
でも今は、特別な肩書きのない普通の人が、自分の経験を数十ページの電子書籍にして出す時代になっています。
しかも、文章をゼロから書き上げる必要も、デザインを一から覚える必要もありません。

私の経験なんて、本にするほどのものではない気がします。

文章を書くのが苦手です。
途中で手が止まりそうで、始める勇気が出ません。

ChatGPTやCanvaを使えば、Kindleで出版するところまで進めるのでしょうか?
上記の疑問を解決します。
結論から言うと、電子書籍づくりでいちばん大切なのは、上手な文章を一気に書くことではありません。
あなたにしかない経験を、読者に渡せる順番へ整理することです。
ChatGPTは、思い出や考えを引き出す聞き役として使えます。
Canvaは、表紙や本文を読みやすい形に整える場面で役立ちます。
AIは、あなたの代わりに人生を語る存在ではありません。
「何を書きたいのか」を一緒にほどき、最初の一歩を支える役として使ってみましょう。

この記事でわかること
- 経験を「読まれるテーマ」に絞る考え方
- ChatGPTを聞き役にして、材料を集める方法
- 自分の言葉を残しながら、原稿を整える手順
- 表紙をChatGPTで作り、Canvaで仕上げる流れ
- CanvaとKindleで、一冊の形にする前の確認ポイント
あなたの経験は、誰のための一冊にする?
電子書籍を作ろうとすると、「自分の人生を最初から全部書かなければ」と考えてしまいがちです。
けれど、最初の一冊はもっと小さなテーマで十分です。
たとえば、仕事と家事を両立する中で見つけた工夫。
子育てで悩んだ時期に救われた考え方。
資格取得、介護、趣味、転職など、ひとつの経験を通して「以前の自分に伝えたいこと」を選びます。
テーマを決めるための3つの質問
- 過去の自分がいちばん困っていたことは何だったか
- そこから抜け出すために、何を試したか
- 同じことで悩む人へ、最初に伝えたいことは何か
「自分史」よりも先に、読者の一つの悩みに答える小さな一冊を目指すと、内容がぶれにくくなります。
経験が足りないのではなく、最初のテーマが広すぎることの方が多いものです。
ChatGPTは、あなたの経験を引き出す聞き役にする

ChatGPTに「本を書いて」と頼むだけでは、私らしい内容にならなそうです。
その感覚は正しいです。
最初から原稿を書かせるより、質問をしてもらう方が、あなたの経験が言葉になりやすくなります。
個人情報や、誰かを特定できる出来事は入力せず、固有名詞を置き換えて話してください。
そのうえで、次のように頼んでみましょう。
そのまま使えるお願い文
- 私は「[テーマ]」について、同じことで悩む人に向けた電子書籍を書きたいです。
- 私の経験を引き出すインタビューを、一問ずつしてください。
- 答えを勝手に脚色せず、話した内容を整理しながら、あとで目次案を作ってください。
質問に答えるうちに、「あの時、本当に知りたかったこと」が見えてきます。
文章の材料は、きれいな言い回しではなく、具体的な出来事や気持ちです。
書けない時は、先に文章を作ろうとしなくて大丈夫です。
会話のように経験を出してから、並べ替える順番で進めると楽になります。
「思い出を整理したい」「目次の案を出したい」と、目的を言葉にして伝えることが出発点です。

機能に振り回されず、目的からChatGPTを使う考え方は、ChatGPTは「使い方を覚えない」人ほどうまくいく、3つの理由でも紹介しています。
AIの下書きを、そのまま出版しないために
ChatGPTが作った目次や下書きは、完成原稿ではありません。
読み返して、「本当に私はこう思ったのか」「言っていないことが足されていないか」を確認してください。
特に、体験談のいちばん大切な部分は、あなたの言葉で書き直すことをおすすめします。
少し言い切れていない表現や、迷った時間まで含めた方が、読者に届くことがあります。
AIで整えた文章がどこか自分らしくないと感じた時は、いったん元の会話やメモに戻ってください。
言葉を整えることと、あなたの体験を消してしまうことは別です。
出版前に確認したいこと
- 事実と違う説明、根拠のない数字が入っていないか
- 他人の文章、写真、イラストを無断で使っていないか
- 登場人物が特定される内容になっていないか
- AIが作った箇所と、自分で書いた箇所を把握できているか
表紙は、ChatGPTで一枚作ってしまえる
原稿ができたら、次は表紙です。
実は今は、表紙のデザインを一から自分で考えなくても大丈夫。

デザインのセンスがない私に、表紙なんて作れるでしょうか。
そう不安になる方は多いです。
でも今は、ChatGPTに「こんな雰囲気の表紙にしたい」と伝えるだけで、表紙のもとになる画像を作ってもらえます。
色の組み合わせやレイアウトを、自分でゼロから決めなくてよいところが安心です。
作ってもらった画像は、Canvaに読み込んで仕上げます。
Canvaでやるのは、タイトルと著者名を乗せたり、位置を少し整えたりする細かい調整だけで十分です。
ここで一つだけ注意があります。
ChatGPTが作った画像は、文字が崩れて入ることがあります。
AIは、日本語の文字を正確に描くのがまだ苦手だからです。
そこで、タイトルや著者名の文字は画像に描かせず、あとからCanva側で乗せ直すと、読みやすい表紙になります。
もちろん、最初からCanvaのテンプレートで作る方法もあります。
見本を見ながら手堅く進めたい方は、そちらを選んでも構いません。
最初から凝ったデザインは必要ありません。
表紙を見た人が「これは自分の悩みに関係がありそう」と分かること、スマートフォンでも読みやすいこと。
この2つがそろっていれば、最初の一冊としては十分です。

Canvaをこれから使い始める方は、Canvaでデザインはここまで身近になる|初心者におすすめな理由5選も参考にしてください。
Kindleで出版する前に、AI利用のルールを確認する
Amazon Kindle Direct Publishing(KDP)で出版する場合、AIが生成したテキスト・画像・翻訳を含む本は、出版時に申告が必要です。
一方で、自分で書いた原稿をAIで推敲したり、アイデアを出す手助けを受けたりした「AIアシスト」の内容は、KDPの案内では申告不要と区別されています。
ただし、申告の有無にかかわらず、内容の正確さと、著作権・肖像権などの権利確認は著者自身の責任です。
他人の作品や写真を「参考」としてAIに渡しただけでも、安心とは言い切れません。
出版直前には、KDPのコンテンツガイドラインと、文化庁のAIと著作権に関する情報を確認してください。
迷うケースは、権利の専門家へ相談することも検討しましょう。
一度作れるようになると、大切な人の本も作ってあげられる
ここまで読んで、あなたはもう気づいているかもしれません。
この作り方を一度覚えると、本にできるのは、あなた自身の経験だけではありません。
たとえば、親が何度も話してくれた昔の苦労話。
友人が乗り越えた、闘病や子育ての日々。
うまく言葉にできないまま、その人の中にだけ残っている経験。
本人は「こんな話、誰も興味ないよ」と言うかもしれません。
でも、あなたがChatGPTで話を聞き出し、順番に整えて、一冊の形にしてあげられます。

自分の本だけでなく、人の本まで作れるようになるんですね。
そうなんです。
インタビューして、整理して、表紙をつける。
この流れは、誰の経験にも同じように使えます。
最初の一冊は、自分のために作ってみてください。
一度その手順を通せば、次は大切な人のために、同じことをしてあげられます。
「あなたの話、本にしようか」と言える人は、そんなに多くありません。

まとめ:あなたの経験を、次の誰かへ渡せる一冊に
電子書籍づくりは、AIに文章を任せることではありません。
あなたの中にある経験を、誰かが読める順番に整える作業です。
電子書籍づくりの流れ
- 過去の自分に伝えたいことからテーマを一つ選ぶ
- ChatGPTの質問に答え、経験の材料を集める
- AIの下書きを読み直し、自分の言葉に直す
- 表紙はChatGPTで作り、Canvaで仕上げてKindleのAI利用ルールを確認する
「私に書けることがあるのかな」と迷う時は、最初の一章ではなく、一つの出来事から話してみてください。
そこに、あなたの本の芯が見つかるかもしれません。
生成AI未来創造スクール 大阪校では、60分の無料体験レッスンを受け付けています。
「経験を本にするには何から始めればいい?」「ChatGPTへの頼み方を一緒に練習したい」「Canvaで表紙を作ってみたい」。
そんな方は、画面を見ながら一つずつ試してみませんか。
